Patsyタイプのお人形/コンポジション製ドールに水分はNG
2017年 04月 13日
大失敗(;o;)
昨日ご紹介のPatsyもどきちゃんをきれいにしようと、石鹸水で湿らせたコットンボールでクリクリ~と一気にボディを拭いた・・・のが大きな間違いでした。
1920年代の終わりに登場したPatsyやPatsyの仲間はコンポジション製。
人形の世界においてコンポジション製のボディーというのは、おがくず、樹脂、コーンスターチ、接着剤などを練り合わせたものを型抜きし、その上からペイントをほどこして作られたもののことなのですが、このコンポジション製のお人形には欠点がありまして、ペイントの剥離やひび割れが起こりやすく、美しいお顔がパリパリにひび割れたお人形の画像を見たことのある方も多いのでは、と思います。
私のPatsyもどきはジャンク価格で古いにもかかわらず、(汚れてはいましたが)ペイントのひび割れや剥離は見られずとっても良い状態と言えました。
それが・・・それが・・・石鹸水のコットンボールでクリクリ~とボディーを拭いて数分後、その現象は起こりました。
パリパリパリパリ
最初は私の目がひび割れたか、錯覚かのどちらかと思いました・・・
が、ひび割れたのはPatsyちゃんのペイントでした。
ひええええっ
うそ、誰か嘘だと言って(;o;)
特に重症が右足と額。
今までもコンポジションドールをクリーニングしたことはあったのですが、こんなことになったのは初めてで、ペイントの質や状態によってはこんなにひどいことになるということを知り大反省。
上から補修ペイントで出来るだけカバーしました。
ただあまりペイントするとオリジナルの良さがなくなってしまうので必要最小限にとどめておきました。
色を調節しながら、何とか気にならない程度にまで復元。
肌の感じはビスクっぽく見せてあります。
それと、パウダー(人間用のシッカロール)も強い味方。
コンポジションの細かいひびにパウダーというのは魔法のような効き目があるのです。
やわらかいペイントブラシでパウダーを付け、はたく・・・というのを繰り返すとあら不思議、ひびがほとんど目立たなくなります。
このパウダー治療は前から知っていたのですが、実際にやったのは初めてで、その効果に感心しました。
人間のひびシワにも効果があればいいのですがね。
ところでこのPatsyもどきちゃん、お腹はカエルみたいな幼児体型で手も短いのに、足がやたら長くて何だかアンバランス(なのに自力で立てるところが凄い)。
それで、あ、この体型、どこかで見覚えが・・・と思ったら、昔の日本の文化人形もこんな感じでした。
(今の文化人形はバランスよく修正されていますけれどね)
アンバランスな足長さんが目立たぬように撮影してみましたよ。
付属の小汚いお洋服は手洗いしました。
墨のような黒い汁がいっぱい出ましたよ。
で、かわいいビンテージピンクになりました。
ザクザク手縫いの簡単お洋服ですが、Patsyちゃんにぴったりフィットした作りです。
黒の靴は足に直接ペイントされています。
よくみると足の指があるのがわかります。
ペイントの感じからするとオリジナルペイントです。
裸足のまま塗らないでおいてくれれば良かったのに~。
今回のクリーニング作業は本当に勉強になりました。次回からもっと古代遺跡の発掘作業のように慎重にいきたいと思います。
夜しか撮影時間がないので画像が悪いのですがあしからず。
by nemurijima
| 2017-04-13 23:10
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